バンドタッチで逆張りは勝てる? バックテストで検証

ボリンジャーバンドが有名ですが、バンド系のテクニカル指標を愛用している人はかなり多いのではないでしょうか。

筆者も長年バンド系を愛用していますが、もちろん機械的にバンドタッチで逆張りを繰り返していても勝てませんので、他のテクニカル指標と組み合わせる必要があります。

しかし、もし仮にバンドタッチのみでトレードしたとすればどのような結果になるのかが気になりましたので、ボリンジャーバンドを含むバンド系4本でバックテストを行い、比較してみました。

ちなみに、バックテストというのは、一定のトレードルールに従って10年間など長期で運用した場合にどのような結果になるのかを自動で計算してくれるMT4・MT5の機能です。バックテストでの検証を行うには、MT4・MT5のプログラミング言語をある程度勉強する必要がありますが、慣れればトレードルールの検証に非常に効果的です。

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目次

バンドタッチで逆張りエントリーのみで勝てる?

バンドタッチで逆張りエントリーのみで勝てることは普通はありませんが、実際どのくらい負けるのか確認してみます。

まずはシンプルな条件でボリンジャーバンドのバンドタッチ逆張りエントリーをした場合で検証します。(ボリンジャーバンドA)

・MT4・MT5のデフォルト設定である期間20の設定

・2σラインにタッチでエントリー

・利益確定は、反対側の2σラインにタッチしたとき

・損切り・利益確定とも100pips

ボリンジャーバンドのバックテスト

これは、MT5の成績検証機能(ストラテジーテスター)で、4時間足ユーロドルの12年間バックテスト(2010年~2022年)をした場合の残高の推移です。

バンドタッチだけだと当然こうなるのですが、右肩下がりでどんどん資金が減っていますね。0.01ロットで12年間このトレードルールを使うと479ドル(約5万円)の損失になるという結果になりました。

0.01ロットでもこれだけの損害が出るということは、もしこれを1ロットでやっていたら約500万円がなくなっていたということになりますね。

どういうところで負けているかを図で見てみましょう。

ボリンジャーバンドの負けパターン

例えば、オレンジ丸の部分では、-2σラインでエントリー、+2σラインでクローズというパターンで取れましたが、直後に2σラインでドテン売りエントリーをした際、上昇トレンドがそのまま継続して、最初に得た利益よりも大きな損失を出してしまっています。

利益確定条件を変更してみる

先ほどの条件はさすがにシンプルすぎたので、今回は、上下バンドタッチをベースに、負けにくいよう調整を加えてみます。

バンドの上下タッチのみをルールにしてしまうと、うまく反対側のバンドに到達してくれれば大きな利益が得られますが、途中までは利益が出ていたけどバンドの反対側まではいかなかった場合はすべて損失になってしまいますね。そのため、下記の①②の条件を追加してみました。

①センターラインタッチで決済する(ボリンジャーバンドB)

②30pips利益が乗ったら建値決済に切り替える(ボリンジャーバンドC)

①の「センターラインタッチで決済する」(ボリンジャーバンドB)を入れると、ボリンジャーバンドAと同じ約5万円の損失で、あまり差はないですが少し悪化しています。負け回数は減りましたが、センターラインにタッチすることで、取れる利益も半減したことが理由です。

ボリンジャーバンドバックテスト2

次は、②の「30pips利益が乗ったら建値決済に切り替える」(ボリンジャーバンドC)で検証しました。マイナスではあるものの、当初の479ドルの損失からは若干よくなり、326ドルの損失で収まりました。

ボリンジャーバンド3のバックテスト

バンドタッチ逆張りで負けるのは、強いトレンドが継続して損切りになってしまうパターンです。しかし、ボリンジャーバンド2σなら、一旦バンドタッチした後30pips戻る可能性はかなりありますので、そこで建値決済を入れると、負けパターンを減らせるということですね。

ただ、それでも残高が右肩下がりになってしまうのは変わりません。そもそもボリンジャーバンドは、バンドに沿って価格が推移する「バンドウォーク」という現象も有名ですし、あまり逆張りに向きません。そのため、バンド系の別のテクニカル指標でも検証してみました。

別のバンドを使ってみる

バンドタッチというコンセプトはそのままに、別のバンドを使ってみるとどうなるか検証してみました。

エンベロープ

MT4・MT5でデフォルトで利用できるもう一つのバンド系指標といえばエンベロープです。

ボリンジャーバンドは、幅の広さが大きく変わるのですが、エンベロープは比較的変動が緩やかです。

エンベロープ

ボリンジャーバンドと同様、まずは一番シンプルな設定で検証してみます。(エンベロープA)

・MT4・MT5のデフォルト設定である期間14の設定

・偏差は4時間足なので0.3に設定(※時間足ごとに適切な数値が異なります)

・上下ラインにタッチでエントリー

・利益確定は、反対側の上下ラインにタッチしたとき

・損切り・利益確定とも100pips

MT5の成績検証機能(ストラテジーテスター)で、4時間足ユーロドルの12年間バックテスト(2010年~2022年)をした場合の残高の推移は、34ドルとなり、わずかにプラスになりました。

エンベロープ1偏差0.3バックテスト

ボリンジャーバンドの方も、期間設定を変えたりなど調整を行えば勝てるのかもしれませんが、暫定的に、エンベロープの方が逆張りとしては優秀という結論にして進めます。

ちなみに、MT5でトレードルールを検証する際、例えばボリンジャーバンドやエンベロープの計算に使用する価格を終値にするか始値にするか、または、計算期間をローソク足何本分にするや損切り幅・利益確定幅をどの程度に設定するかなど、すべての条件を細かく変更して、一番成績がいいパラメータの組み合わせを探す機能も利用できます。

これは最適化と呼び、便利な機能なのですが、すべての組み合わせを検証するとPC負荷が高く、所要時間も長くなるため、ある程度あたりをつけてから最後の仕上げにやっています。

利益確定条件を変更してみる

ボリンジャーバンドと同様、上下バンドタッチをベースに、負けにくい調整を加えてみます。

①センターラインタッチで決済する(エンベロープB)

②30pips利益が乗ったら建値決済に切り替える(エンベロープC)

①センターラインタッチで決済するは、ボリンジャーバンドのとき、逆に成績が悪化しましたが、エンベロープではどうなるでしょうか? ちなみに、エンベロープのセンターラインは普通の移動平均線です。

エンベロープ2バックテスト

12年間0.01ロットで543ドルも負ける結果になりました。ボリンジャーバンドより反対側の上下ラインに到達する可能性が高い分、下手に利益をあきらめてセンターライン決済にするとよくないということですね。

一方、②30pips利益が乗ったら建値決済に切り替えるは、最初のエンベロープAとほぼ変わらない、約4ドルの損失になりました。

エンベロープ3バックテスト

バンド系と、建値決済は相性がいいといえるかもしれませんね。エンベロープの方はわずかなマイナスになりましたが、建値決済を入れておけば急な値動きのある大きな相場に対応できますので、これくらいの違いならば念のため建値決済を入れておくのもありかと思われます。

偏差・期間の最適化

先ほど説明したように、MT5のストラテジーテスターでは、パラメータを少しずつ変えて検証できる最適化が利用できます。すべてのパラメータをいじるとなると何日もPCを動かし続けないと終わらないので、今回は簡易的に、偏差(σ)と期間の最適化を行いました。

ボリンジャーバンドの最適化

30pips利益が乗ったら建値決済に切り替える(ボリンジャーバンドC)を対象に、4×9=36通りのパラメータで最適化を行いました。ちなみに、偏差というのはバンドの幅の広さのことで、偏差が高くなればなるほど、バンドにタッチする確率が下がります。

偏差(σ) 1.5、1.7、1.9、2.1の4つの選択肢
期間 17~25の範囲で9つの選択肢

最適化では、上記の範囲内ですべてのパラメータの組み合わせのバックテストを行うのですが、最も成績のよい組み合わせでも収益をプラスにすることはできませんでした(12年間の0.01ロットのバックテストで-291ドルが最高)。エンベロープでは、MT5デフォルトの期間設定ですんなりプラス収益が出たので、やはりボリンジャーバンドは逆張りに向かないという結論でよさそうです。

ボリンジャーバンド最適化結果

ちなみに、一番成績がよかったのは、期間17、偏差2.1の設定です。

エンベロープの最適化

エンベロープでも、期間と偏差を変えて最適化を行いました。

偏差(σ) 0.2、0.25、0.3、0.35、0.4の5つの選択肢
期間 14~25の範囲で12の選択肢

こちらは、デフォルトの期間設定である14と、偏差3.0の組み合わせが一番よかったです。この組み合わせで約4ドルのマイナスでした。

最適化をかけたらもう少しよくなるかと思いましたが、残念ながらよくはなりませんでした。

他のテクニカル指標との組み合わせが有効

MT5で使えるバンド系はボリンジャーバンドとエンベロープの2つですが、別途販売されたり無料配布されているカスタムインジケータを使えば、もっと選択肢は広がります。

ただ、いくつか試してみましたが、単純な上下のバンドタッチで勝ちまくれるというものはないです。これまで見つかった最も高いもので、プロフィットファクター(負け金額に対する勝ち金額)が1.1程度です。

負けはしないものの、得られる利益が低くて実用には向きません。バンド系は、利益確定ラインに使ったり、他のテクニカル指標と組み合わせて使うのが有効といえるでしょう。

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