Binance(バイナンス)は、保有する仮想通貨を預けると利息を得られるサービスを多数提供しています。そうしたサービスは「バイナンスアーニング」と呼ばれるコーナーにまとめられており、2021年11月の時点で下記の9種類があります。
・DOTスロットオークション
・セービング
・定期ステーキング
・ローンチプール
・BNBヴォールト
・ETH2.0ステーキング
・流動性スワップ
・DeFiステーキング
・デュアル投資
今回はこの中から、定期ステーキングに絞ってメリットや利用方法を解説します。

Binanceの定期ステーキングとは?
Binance(バイナンス)の定期ステーキングは、一般的な意味での「ステーキング」サービスです。つまり、コンセンサスアルゴリズムがPoS(プルーフ・オブ・ステーク)の仮想通貨を一定期間預け入れると、利子が受け取れるサービスです。
預け入れるわけなので、定期ステーキングを行っている間にその仮想通貨を使うことができないのがデメリットになりますが、預け入れた仮想通貨が減るリスクはないため、元々長期保有するつもりであれば、大きなデメリットなく利子を受け取ることができます。
コンセンサスアルゴリズムがPoSの仮想通貨は、仮想通貨を保有するだけでブロックチェーンの運営にかかわることができるため、その報酬として利子が発生します。「保有するだけで運営にかかわることができる」という状態が不思議に思えるかもしれませんが、PoSでは、仮想通貨取引の正確性の検証が「コインを大量に保有している人は不正行為を働くメリットがない」という考え方に基づいて行われるからです。
なお、この「定期ステーキング」には、分散型取引所SushiSwapのSUSHIトークンなど、一部PoSではない仮想通貨も含まれます。ざっくりと「仮想通貨を一定期間ロックすることで報酬を得られるサービス」認識しておくといいでしょう。
預け入れ期間と早期償還
預け入れ期間は30日・60日・90日の中から選択できるものが多いですが、一部の仮想通貨では選択できない期間があります。

期間が増えるほど利回りも高くなります。一部期間は売り切れしている場合もあります。
預け入れ期間は固定されているものの、「早期償還」を行うことも可能です。ただし、早期償還には下記の注意事項があります。
・利回りを受け取ることはできない
・受け取りに最大48〜72時間かかる場合がある
資金が固定期間ロックされる場合のリスクとして、暴落時に損切りしようとしても売却することができないという点があります。Binanceの固定ステーキングでは、利回り受け取りをあきらめれば早期償還もできるものの、受け取りには2~3日かかるということは念頭においておく必要があります。
主な仮想通貨と利回り
2021年11月時点では、76の銘柄が定期ステーキングの対象になっています。銘柄数の多さがメリットのBinance(バイナンス)なので、エイダコイン(ADA)やソラナ(SOL)、テゾス(XTZ)など、日本人に知名度のあるPoSの仮想通貨は網羅されています。
年利については銘柄によって大きく異なり、数%から100%超までさまざまです。一般的なPoSの仮想通貨ではない銘柄も含まれるので、PoS通貨に絞れば、他のステーキングサービスと同様に数%の利回りとなります。
主要銘柄の利回りをまとめました。
仮想通貨 | 30日年利 | 90日年利 |
エイダコイン(ADA) | 5.09% | 8.38% |
ソラナ(SOL) | 7.34% | 9.79% |
テゾス(XTZ) | 6.74% | 10.61% |
バイナンスコイン(BNB) | 5.86% | 8.69% |
ファイルコイン(FIL) | 9.79% | 13.34% |
柴犬コイン(SHIB) | 3.67% | 5.25% |
ポルカドット(DOT) | 11.51% | 16.62% |
ネム(XEM) | 2.80% | なし |
トロン(TRX) | 4.31% | 8.17% |
スシ(SUSHI) | 6.70% | なし |
リスク(LSK) | 1.49% | 2.23% |
イオス(EOS) | 4.22% | 6.11% |
90日ロックすると、年利が10%に近づく仮想通貨が多くなりますね。ロックするということは、仮にその仮想通貨が暴落した場合でも、急いで売却するということができないためリスクが上がりますが、90日で10%も増えるのは魅力です。
固定セービングとの違い
Binanceでは、同様に期間を指定して預け入れる「固定セービング」というサービスを提供しています。こちらは、一時的に仮想通貨を必要とする人に自分の持っている仮想通貨を貸し出す「レンディング」です。
こちらは2021年11月現在、対応している仮想通貨が8種類、かつ売り切れが目立つ状態なので、定期ステーキングの方が使いやすいです。

「固定セービング」と「定期ステーキング」両方が対応している銘柄はほとんどありませんが、ゲーム内仮想通貨のアクシー・インフィニティ(AXS)など一部の銘柄は両方利用できます。そうした銘柄は、どちらの条件を選びたいか比較してみるといいでしょう。利回りの点では「定期ステーキング」の方が有利です。
仮想通貨 | 固定セービング | 定期ステーキング |
アクシー・インフィニティ(AXS) | 15.00%(15日間) | 110.32%(30日間) |
ケーキ(CAKE) | 20.00%(15日間) | 31.25%(30日間) |
定期ステーキングのやり方
Binance(バイナンス)の定期ステーキングのやり方は非常に簡単です。最小限の入力事項で利用開始できます。
現物アカウントの中の資金を利用するので、他のウォレットに資金を入れている場合は、現物アカウントに移しておいてください。
登録方法
LTOネットワーク(LTO)で定期ステーキングを登録する場合で説明します。
まず、「定期ステーキング」のLTOの欄で預け入れ期間を選択し、「今すぐステーク」ボタンをクリックします。(預け入れ期間はここで決めなくても次の画面で変更できます)

登録画面が表示されるので、①期間を選択し、②「ロック金額」に預け入れたい金額を入力し、「サービス契約への同意」にチェックを入れて、「承認」ボタンを押してください。

償還期間に注意
仮想通貨ごとに、「償還期間」が設定されているため、預け入れ期間が終わった後すぐに受け取れるわけではありません。

この画面で説明すると、利息の付与が終了するのは11月22日午前9時ですが、預け終わった仮想通貨を受け取ることができるのは、その4日後の26日午前9時となります。なお、償還期間が「3日」と表示されているにもかかわらず、実際には丸4日空いていますが、これは他の仮想通貨でも同じです。償還期間+1日で受け取れるということになるようです。
また、預け入れ開始も即時ではなく、1日のうちBinanceが指定した時間に開始されます。このため、最大24時間のタイムラグが発生します。この画面で説明すると、11月14日午前9時15分に登録手続きを行ったとしても、利息発生の対象になるのは11月15日午前9時です。
利息計算が開始した時間の少し後に登録してしまうと、ほぼ1日のずれが発生してしまうので注意しましょう。
利息の確認方法
付与された利息は「収益」アカウントから、「定期ステーキング」を選択し、「定期」の項目をクリックすると確認できます。利回りは1日ずつ計算され、「累積金利」の項目に表示されます。

なお、1日単位で利回りは付与されますが、指定された期間内に早期償還を行った場合、受け取った利回りは没収されます。
早期償還の方法
利回りをあきらめて早期償還を行いたい場合も、「収益」アカウントから「定期ステーキング」を選択し、「定期」の項目から実施できます。
預け入れていた仮想通貨の情報を右端まで表示させると、「早期償還」ボタンが表示されます。

「早期償還」ボタンをクリックすると、利息が付与されないことへの同意が求められますので、同意すれば早期償還を行うことができます。
ただし、通常の引き出しと同様に、資金を受け取るまでに数日かかります。
期間終了後の資金受け取り方法
ロック期間を満了した場合、特別な手続きは必要なく、現物アカウントに預け入れていた資金と利回りが自動的に振り込まれます。
まとめ
定期ステーキングは、資金がロックされてしまうというデメリットがある分、比較的利回りが高くなっています。元本が減るリスクがないタイプのサービスとしては十分な利回りといえるでしょう。
Binanceは取り扱い銘柄が多いので、70種類以上の銘柄から選択できるのもうれしいですね。