Binance(バイナンス)は、保有する仮想通貨を預けると利息を得られるサービスを多数提供しています。そうしたサービスは「バイナンスアーニング」と呼ばれるコーナーにまとめられており、2021年10月の時点で下記の8種類があります。
・セービング
・定期ステーキング
・ローンチプール
・BNBヴォールト
・ETH2.0ステーキング
・流動性スワップ
・DeFiステーキング
・デュアル投資
今回はこの中から、セービングに絞ってメリットや利用方法を解説します。

Binanceのセービングの種類
Binance(バイナンス)のセービングというのは、一般的な用語でいうと「レンディング」です。レバレッジをかけた自己資金以上の取引(マージン取引)をしたい人向けに資金を貸し出して、利益を得る方法ですね。
「資金を預け入れる」ことで利益を得ることができます。預け入れるわけなので、セービングを行っている間にその仮想通貨を使うことはできません。
預け入れ期間が固定(つまり、一旦「〇日」と決めて預け入れたら、途中で引き出すことはできない)の「固定セービング」と、好きなタイミングで引き出すことができる「フレキシブルセービング」があり、制限がつく「固定セービング」の方が年利が高いです。
また、常時開催ではないので利用できない期間が長いですが、期間限定で特に年利が高い「アクティビティ」という種類のセービングが提供されている場合もあります。まとめると、Binanceで利用できるセービングは下記の3種類ということになります。
・フレキシブルセービング
・固定セービング
・アクティビティ
ここからは、それぞれ詳しく解説していきます。
フレキシブルセービング
ビットコイン(BTC)やエイダコイン(ADA)、アトム(ATOM)などが対象で、年利0.5~1.5%程度のものが多いです。現在131種類の銘柄が対応していて、年利が高いものだと5%近い年利のものもあります。
フレキシブルセービングは自由に引き出せるというメリットがある分、通常のレンディングよりも年利が低くなっています。しっかりレンディングをやるなら一定期間資産がロックされてしまうタイプのサービスの方がおすすめですが、このサービスは、「数日などごく短時間仮想通貨を使わない時期がある」人に向いています。
2021年11月現在の主要仮想通貨の年利をまとめました。注意しないといけないのは、ビットコイン(BTC)などの銘柄は、一見3%など年利が高いのですが、実際は「ティアレート」というのが設定されていて、預け入れ資金が多くなればなるほど年利が下がります。
仮想通貨 | 最高年利 | その他の年利 |
BTC | 3.00%(0~0.05 BTC) | 1.00%(0.05~0.5 BTC)、0.10%(0.5 BTC以上) |
BUSD | 1.60%(0~75,000 BUSD) | 0.40%(75,000 BUSD以上) |
USDT | 3.00%(0~75,000 USDT) | 0.50%(75,000 USDT) |
ADA | 0.48% | – |
ATOM | 1.42% | – |
BAT | 0.44% | – |
DOGE | 0.70% | – |
DOT | 0.50% | – |
EOS | 0.35% | – |
ETH | 0.24% | – |
LINK | 0.20% | – |
LSK | 1.00% | – |
SUSHI | 1.00% | – |
UNI | 0.67% | – |
XLM | 0.35% | – |
ティアレートが設定されているとはいえ、ビットコインも0.5BTC(1BTC=約700万円のとき350万円)という高額までは1%の年利を受け取ることができます。「いつでも引き出しできるし、資産が減るリスクがない」レンディングなので、基本的に年利は1%前後になると覚えておくといいでしょう。
3%のUSDTなど、一部の仮想通貨はかなり年利が高く設定されています。ただ、USDT以外は比較的知名度が低い仮想通貨になりますので、価格変動リスクを考慮してセービングするのがおすすめです。
固定セービング
固定セービングは、資金を一定期間預け入れる必要があり、その間引き出しができないというリスクがあるため、フレキシブルセービングよりも年利が高くなっています。
ロック期間は、7日から90日で選択できます。
ビットコイン(BTC)の90日間の預け入れで年利7.00%、テザー(USDT)の7日間の預け入れで4.24%程度の年利ですが、商品の売り切れが目立ちます。

メジャーな仮想通貨が預け入れられないのがデメリットになるでしょう。
2021年11月現在で預け入れ可能な仮想通貨は以下の通りです。
仮想通貨 | 年利 | 期間 |
AXS | 15% | 15日 |
CAKE | 20% | 15日 |
DOCK | 25% | 15日 |
MDX | 25% | 15日 |
FUN | 45% | 14日 |
定期的に見てみると、売り切れの仮想通貨が再び売り出されていることもあります。ただ、基本的に残っている仮想通貨はいつも同じ(つまりあまり人気のないもの)なので、BTCなどの人気の仮想通貨を固定セービングで預け入れたい場合は、こまめにサイトを確認するしかないでしょう。
アクティビティ
仕組みとしては、固定セービングと同じですが、年利が15~50%と高く設定されています。ただ、これは特に利回りが優遇された限定商品なので、常時利用できるわけではありません。
Binanceのブログによると、「供給量が限られるので早めに参加してください」とのことです。ただ、過去に開催されたアクティビティの銘柄は、あまり名前を聞かない仮想通貨が多いので、参加する前にコインの精査は必要になるでしょう。
フレキシブルセービングのやり方
Binance(バイナンス)のフレキシブルセービングのやり方は非常に簡単です。最小限の入力事項で利用開始できます。
現物アカウントの中の資金を利用するので、他のウォレットに資金を入れている場合は、現物アカウントに移しておいてください。
登録方法
BTCでフレキシブルセービングを登録する場合で説明します。
まず、BTCの「定期登録」ボタンをクリックします。

登録画面が表示されるので、「定期登録量」に預け入れたい金額を入力し、「サービス契約への同意」にチェックを入れて、「承認」ボタンを押してください。

預け入れ量によって年利が変化するティアレートが設定されている場合は、この画面に表示されます。
1日プラスα預けないと利息がつかない
登録時の画面で「日付の値」と「利息配分日」を確認しておきましょう。

フレキシブルセービングは、預け入れたらすぐ利息がつくわけではありません。いつ預け入れても、1日に1回設定されている預け入れ開始時間にならないと、利息付与の対象になりません。この預け入れ開始時間が「日付の値」です。
「日付の値」のさらに1日後に設定された「利息配分日」まで預け入れを継続して初めて、利息が付与されます。
自動振替機能が便利
フレキシブルセービングの登録の際、「定期登録」ボタンを押す前に、「自動振替」機能をONにすると、毎日午前2時 (UTC)に現物アカウントにあるすべての資産をフレキシブルセービングに回すことができます。

フレキシブルセービングはいつでも引き出しできるので、ノーリスクで利用できます。余っている資産がある場合は、この機能をONにしておくといいでしょう。
利息の確認方法
付与された利息は「収益」アカウントから確認できます。

フレキシブルセービングは収益アカウントのトップに表示されますが、トップに表示されない場合は、「収益」アカウント内の「セービング」タブを選択し、その後「フレキシブル」タブを選択してください。
右下の「累積金利」というところに受け取ることができた利子が表示されます。
引き出し方法
資金を引き出したいときは、「収益」アカウントで「償還」を押します。

利子の計算は1日単位で行われるので、すぐに引き出す「高速償還」か、1日単位のキリのいいところまで利子を受け取る「標準償還」を選択できます。償還する量と償還の方法を選択し、サービス契約への同意にチェックを入れて「承認」ボタンを押すと、引き出し手続きが完了します。

定期セービングのやり方
定期セービングもフレキシブルセービングとほぼ同様の簡単な方法で預け入れが可能です。
こちらも現物アカウントの中の資金を利用するので、他のウォレットに資金を入れている場合は、現物アカウントに移しておいてください。
登録方法
パンケーキスワップ(CAKE)で固定セービングを登録する場合で説明します。
まず、CAKEの「定期登録」ボタンをクリックします。

登録画面が表示されるので、①「ロット量」に預け入れたい金額を入力し、②「フレキシブルセービングへの自動更新」を利用するかを選択し、③「サービス契約への同意」にチェックを入れて「承認」ボタンを押してください。

「フレキシブルセービングへの自動更新」機能は、この定期セービングの期間が終わった後、元本と利息を自動でフレキシブルセービングに入れることができる機能です。定期セービングに入るわけではなく、フレキシブルセービングなので、この機能をONにしていたとしても、すぐに引き出したい場合は引き出すことができます。
なお、この自動更新機能は、「収益」アカウントから後で変更することもできます。
「実行日」から利息付与開始
フレキシブルセービングと同様に、こちらも、1日のうち固定の時間に利息の計算がスタートします。登録時の画面で「実行日」と「償還日」を確認しておきましょう。15日や30日など、固定セービングの対象期間は「実行日」から起算され、「償還日」に引き出し可能になります。

まとめ
フレキシブルセービングは、自由に引き出せるというメリットがあるとはいえ、さすがに年利がかなり低いので、長期保有目的なら固定セービングの方が向いています。
ただ、売り切れが目立つので、Binanceでセービングができない場合は、他のサービスを検討してみるのもいいかもしれません。
フレキシブルセービングを利用するなら、毎日現物アカウントの利用してない資産をフレキシブルセービングに回してくれる「自動振替」機能が便利です。