世界最大級の仮想通貨取引所として人気があるのがBinance(バイナンス)です。
取扱い仮想通貨の銘柄数や取引高が世界最大で、トレードだけではなくステーキングやDeFiなど多様な仮想通貨商品の取扱いがある取引所です。
多様なサービスを提供しながらも手数料が低く、初心者から上級者まで多くのトレーダーに利用されています。
Binanceは世界最大の取引所であるため各国の言語に対応しており、日本語でも利用することができます。
今回は、Binanceがどのような仮想通貨取引所なのかや、メリット・デメリットを紹介していきます。
Binanceの特徴
まずは、Binance(バイナンス)の取引条件を紹介します。
Binanceの基本スペック
取扱い銘柄ペア数 | 1000種類以上 |
最大レバレッジ | 125倍(※口座開設直後は20倍に制限) |
手数料 | デリバティブ取引(USD?-M先物):メイカー手数料0.02%、テイカー手数料0.04%
スポット取引:メイカー手数料0.1%、テイカー手数料0.1% |
スマホ対応 | 〇(専用取引アプリ) |
日本語対応 | 〇 |
Binance(バイナンス)の取引ツールにはシンプルな「クラシック」とフルで機能が使える「アドバンス」の2種類が用意されています。
利用できるテクニカル指標は同じですが、ポストオンリー注文やアイスバーグ注文ができるので、アドバンスの方がおすすめです。

ポストオンリー注文とは、安いメイカー手数料で注文を発注できる場合のみ注文を出す方法で、アイスバーグ注文とは、1つの注文を分割して少しずつ発注する方法です。
スマホはiOSとAndroidの両方でトレードが行える専用アプリが用意されているので、お手持ちのスマホに合わせてアプリをインストールすることができます。
レバレッジに関しては、最大125倍まで使えるのですが、2021年7月より、新規口座開設から60日は最大20倍のレバレッジに制限されてしまいます。国内取引所よりも高いレバレッジとはいえ、利用者側からすると改悪になってしまいました。
他にも現物だけではなく先物やDeFiといった多様な商品を取扱い、多くの取引所にある機能を取り揃えています。
取引高と取り扱い仮想通貨数が世界最大
Binance(バイナンス)が世界最大の取引所と言われるのは、取引高と取扱い仮想通貨数の多さにあります。
仮想通貨や取引所の大手ランキングサイトであるCoinGeckoの取引所の現物ランキングでは、Binanceが堂々の1位で、先物などを取り扱うデリバティブにおいても1位の取引高です。取引高が多いことから非常に多くのトレーダーが利用する取引所ということがわかります。

取扱い銘柄数においてCoinGeckoでは1,171銘柄まで調べることができ、豊富な取扱い銘柄があることがわかります。

これだけの取扱い銘柄があることから、Binanceでしかトレードを行えない銘柄もあり、メジャーな仮想通貨だけではなくマイナーな仮想通貨まで幅広く取り揃えています。
特に国内取引所では全取扱銘柄でも15銘柄前後の取扱いしかない取引所が多く、銘柄数の差は圧倒的です。Binanceを利用するだけで、国内取引所ではトレードできない銘柄でチャンスが掴める可能性があります。
Binanceの取扱い銘柄数が多いのは、単純に様々な仮想通貨を幅広く取り扱っているだけではなく、IEO(新規取引所公開)による新規仮想通貨の上場も行っているためです。
IEOは、ICO(新規通貨公開)と同じく、仮想通貨発行による資金調達のことですが、発行団体が直接資金を集めるのではなく、取引所が発行から宣伝、上場を支援する方法です。IEOは取引所の審査に通貨した仮想通貨しか行うことができないため、信頼できる仮想通貨として認められやすいのです。
IEOがあることにより、Binanceは単に取扱い銘柄数が多いだけではなく、信用できる仮想通貨も多数上場しています。
なお、IEOに参加するには本人確認(KYC)が必須となります。

現物や先物など多様な商品の取り扱いがある
Binance(バイナンス)では、現物のトレードだけではなく、レバレッジを掛けられるマージンやデリバティブに先物、オプション取引などが用意されています。
他にもあらかじめ最大4倍のレバレッジが設定されているレバレッジトークン、株式をトークン化した株式トークン、5分後の仮想通貨価格をロングとショートで予測するバトルなど、特殊な商品もあります。
トレードだけを見てもこれだけの商品が取り扱われており、Binanceを使うだけで他の取引所が備えているサービスのほとんどを利用することができます。
さらに、バイナンスアーンでは、ステーキングなど、保有している仮想通貨を利用して利益を得る商品が多数用意されています。
ステーキングとは、保有する仮想通貨をブロックチェーンのネットワークに参加させ、取引の承認などの運用に関与することで、対価として報酬が支払われる制度です。
現在イーサリアム2.0へ移行中のイーサリアム(ETH)でもステーキングの機能があり、Binanceではイーサリアムをステーキングすることで、最大20%の年利報酬を受け取ることが可能です。
このようにトレードだけではなく、多様な商品から投資先を選ぶことができるのがBinanceの特徴の一つです。
BinanceのDeFiを利用できる
Binance(バイナンス)は管理者が存在する中央集権的な取引所となりますが、同時にDeFiによる分散型取引所(DEX)も実装しています。
DeFiとは、ブロックチェーンを利用した分散型金融と呼ばれる管理者不在の金融の総称です。個人同士が直接取引を行うことができ、従来の銀行のような中央集権的な金融よりも低い手数料や速い時間で取引を行えるメリットがあります。DeFiはブロックチェーンによって運用されるため透明性と公平性が高く、分散型取引所(DEX)などのサービスが存在します。
DEXは、バイナンススマートチェーン(BSC)と呼ばれるブロックチェーンで実装されており、Binance独自のトークン(仮想通貨)であるバイナンスコイン(BNB)を使ったトレードを行うことができます。
他にも2種類の仮想通貨を預けることで流動性が提供でき、高い利回り報酬が受け取れる流動性マイニングも行えます。
流動性マイニングとは、分散型取引所であるDEXに仮想通貨をペアで預け入れ、報酬を受け取る仕組みです。DEXの利用者が異なる仮想通貨同士を交換するために、DEXが一定量の仮想通貨を保有しておく必要がありますが、その仮想通貨を流動性マイニングで集めています。
また、バイナンススマートチェーンを利用して作られた分散型アプリケーションも多数開発されており、PancekeSwap(パンケーキスワップ)やPancake Bunny(パンケーキバニー)などがあります。こちらでもBNBを使って流動性マイニングを行うことが可能です。
Binanceのメリットを紹介
世界最大の取引所であるBinance(バイナンス)には、取り扱い商品やサービスの多様さのほかにも、下記のようなメリットがあります。
✔流動性が高くトレードを行いやすい
✔手数料が安い
✔Binance(バイナンス)プールや流動性スワップで稼ぐことも可能
✔海外取引所だが日本語に対応
✔チャートはオリジナルとTradingViewの2種類が使える
それぞれのメリットを詳しく紹介していきます。
流動性が高くトレードを行いやすい
Binance(バイナンス)の取引高は他の仮想通貨取引所よりも高いため、トレードを行いやすい環境にあります。
取引高が少なく流動性が低い取引所では、希望の価格での注文が出せなかったり、注文を出したとしても価格が滑って不利な約定をされることがあります。
そして、ボラティリティ(値動き)が少なくなったり、大きな注文が出ることで値が飛んでしまったりと、トレードを行いにくくなってしまうのです。
その点、Binance(バイナンス)は世界最大の取引量があり、多くの仮想通貨を取り扱っているため、トレードを行うには快適な環境が整えられています。
仮想通貨にはレンディングやDeFiを利用した投資など、様々な投資方法がありますが、FXや株のようにトレードに集中したい人にとってはおすすめの取引所です。
手数料が低い
Binance(バイナンス)は手数料の低さでも人気があります。
現物の手数料は一律0.1%に設定されており他の手数料が高い取引所よりも有利にトレードを行うことができます。
また、Binance独自のトークンであるバイナンスコイン(BNB)を保有して、手数料をBNB支払いにすると手数料が25%オフになる制度もあります。
他にも30日間のトレード量がBTC換算で50BTCを超え、かつBNBを保有していると、割引率がさらに上がります。
海外取引所の中でも低い手数料が設定されていますが、特に国内取引所と比べると手数料の差がかなりあります。
国内取引所では取引所と販売所の取扱いがありますが、アルトコインの場合には販売所でしか取り扱われていない仮想通貨が多数あります。
販売所は取引所に比べると、高く買値と売値に差額(スプレッド)の手数料が設定されており、仮想通貨を買った瞬間に売るだけでもかなりの損失が発生してしまうのです。
そのため、トレード回数が増えるトレーダーにとっては手数料が大きくかさむことになるため、手数料の観点からもBinanceではトレードが行いやすい環境が整えられていると言えます。
ステーキングや流動性マイニングで稼ぐことも可能
Binance(バイナンス)の特徴でも紹介しましたが、Binanceではステーキングや流動性マイニングなど多様な仮想通貨商品を取り扱っています。
トレードで利益を得るだけではなく、流動性マイニング(バイナンス流動性スワップ)で2種類の仮想通貨を預けて利息を得たり、ステーキングでも仮想通貨を預けることで利息報酬を得ることが可能です。
トレードに慣れていない初心者でも、仮想通貨特有のシステムを活用した運用によって利益を得ることができるのです。
もちろん、トレードで得た利益を安定的に流動性マイニングで運用したり、国内取引所にはないサービスで投資が行えます。
仮想通貨投資の幅が広げられるという観点からも、ステーキングや流動性マイニングが行えることはメリットとなるのです。
チャートはオリジナルとTradingViewの2種類が使える
Binance(バイナンス)の取引ツールには、BinanceオリジナルのツールとTradingViewの二種類が用意されています。
オリジナルのツールは、比較的シンプルな機能にまとめられており、簡易的な描画やフィボナッチリトレースメント、移動平均線といったテクニカル分析を行うことができます。
TradingViewは高性能な取引ツールで、水平線やトレンドライン、ハーモニックパターンといった様々な描写機能が搭載されています。さらに、オリジナルよりも豊富なテクニカル指標(インジケータ)を使うことができます。

ローソク足や価格ラインのカラーも自由に変更できるため、カスタマイズ性の高いツールにも仕上がっています。
なお、どちらの取引ツールでもリアルタイムの取引板が確認することができ、どの価格が意識されているのかを確認しながらのトレードも可能です。
Binanceのデメリットを紹介
Binance(バイナンス)には3つのデメリットが存在します。
✔レバレッジの制限が厳しい
✔過去にハッキングされた
✔日本円の直接入金や出金には対応していない
✔中国や各国の規制が厳しい
それぞれのデメリットを紹介していきます。
レバレッジの制限が厳しい
Binance(バイナンス)のデリバティブ取引の最大レバレッジは125倍と高いですが、最近世界各国で規制が強まっている影響で、口座開設後60日間はレバレッジを20倍に制限し、その後徐々にレバレッジが引き上げられるというルールに変更になりました。
60日というのはかなり長いですし、その後も一気に125倍が使えるわけではありません。
このため、ハイレバレッジを求めるトレーダーからは使い勝手の悪い取引所になってしまいました。
仮想通貨は値動きが激しいため、実質的には20倍程度の低レバレッジで取引した方が安全ですが、レバレッジが低いと、万が一暴落した場合でもホールドするという選択肢がなくなってしまいます。
Bybit(バイビット)やMEXC(旧MXC)では、まだハイレバレッジを提供しているので、ハイレバレッジを求める人は、レバレッジルールの強化を行っていない海外取引所を利用するといいでしょう。

過去にハッキングされた
世界最大の取引所であるBinance(バイナンス)ですが、過去ハッキングによってビットコインを流出させてしまったことがあります。
2019年5月にハッキングを受け、ホットウォレットで管理を行う内2%の7,000ビットコイン(BTC)が引き出されてしまいました。
ホットウォレットとは、インターネットに接続されたウォレットのことです。ウォレットには、インターネットに接続されておらずハッキングのリスクのないコールドウォレットも存在しますが、送金などのため、仮想通貨取引所は一部の資金をホットウォレットで保存しています。
Binanceには取引所の手数料から構成されたSAFUファンド(ユーザーのための安全資産基金)があり、被害を受けた金額はファンドから補填されました。そのため、利用者に直接の被害は無く、ハッキングによって利用者が不利益を被ってしまう自体には発展しませんでした。
なお、どの仮想通貨取引所もホットウォレットには一定の資金を入れておく必要があるため、今後ハッキングを受けるリスクは同じです。Binanceは世界最大の取引所であるため、特に狙われやすいのかもしれませんが、この事件後、ハッキング対策を強化させているので、現在では特にリスクが高いとはいえないかもしれません。
Binanceのハッキングとその後の対策については、この記事でまとめています。

日本円の直接入金や出金には対応していない
Binance(バイナンス)では、日本円による直接入金や出金に対応していません。
代行業者支払いやクレジットカードでの入金は可能ですが、やや不利なレートになってしまうため、基本的には国内取引所で仮想通貨を購入し、その仮想通貨での入金が行われることが多いです。

この点に関して、国内取引所のように日本円で直接仮想通貨を買うことができないため、デメリットとなってしまいます。
中国や各国の規制が厳しい
Binance(バイナンス)は、中国や日本をはじめとした各国から厳しい規制をかけられることが多いです。
最大手ということで特に目をつけられているのだと思われますが、その影響で、レバレッジ規制や本人確認(KYC)の厳格化など、ユーザーにとってはデメリットとなる制度変更が行われています。
まとめ
以上がBinance(バイナンス)の特徴とメリットデメリットになります。
世界最大の取引所として多様な仮想通貨商品を取扱い、使いやすさについても初心者から上級者まで満足に使える取引所となります。
DeFiやDEXといった、仮想通貨でも最新の技術やサービスを早く取り入れるといった姿勢もあり、単にトレードだけではなく最新の仮想通貨に触れられる取引所でもあります。
なお、NFT(非代替性トークン)の取引所もBinance(バイナンス)に内にあり、NFTの発行や売買を行うことが可能です。
取引手数料の低さや使いやすさ、取扱い銘柄数の多さからも初心者でも安心して仮想通貨のトレードが行える取引所となっているので、海外取引所選びで迷った際にはとりあえずBinanceでの口座開設を行っておくと良いでしょう。
