ボーナスの豊富な業者としては、XMTrading(XM)やGemforex(ゲムフォレックス)がありますが、実は、FXに慣れた中級者以上になると、こうしたブローカーではなく、Titan FX(タイタンFX)やExness(エクスネス)などのボーナスのないブローカーに移るケースが多いです。
その理由は、ボーナスがある口座や海外FX業者はスプレッドが広い傾向があるからです。これがボーナスの大きなデメリットと言えます。
しかし、資金量が少ない人ほど、スプレッドが狭いというデメリットよりも、ボーナスで資金量を増やせるというメリットの方が強くなります。
具体的に言えば、XMだと20%入金ボーナスがもらえる入金金額225万円まではボーナスあり、225万円以上はボーナスなしの方がお得になります。
また、ボーナスには「負けたときの保険」という機能があるため、特にトレードの技術に自信がない時期には、ボーナスを受け取った方がいいでしょう。
今回の記事では、ボーナスのデメリットや、どんな人にメリットがあるのか、クッション機能のあるボーナスとないボーナスの違いなどについて、詳しく解説します。
海外FX業者のボーナスとは?
まずは、海外FX業者のボーナス制度についてざっくりと説明します。
新規口座開設ボーナス、入金ボーナス、取引ボーナスなど
海外FX業者のボーナスは、主に3種類あります。
新規口座開設ボーナス | 口座開設で1人1回のみもらえるボーナス。数千円 |
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入金ボーナス | 入金額の何%かのボーナスがもらえる。 |
取引ボーナス | 1ロット取引するごとにボーナスがもらえる。 |
新規口座開設ボーナス(未入金ボーナス)はタダでもらえて単純にお得なので、とりあえず全ブローカー分もらっておくといいでしょう。XMTrading(XM)やGemforexで提供されています。
特にGemforexは、金額も2万円と多いのでおすすめです。
デメリットがあるのは入金ボーナスの方です。ここから解説します。
ボーナスがもらえる口座タイプは取引条件が悪い
入金ボーナスも、新規口座開設ボーナス(未入金ボーナス)と同様タダでもらえるものです。しかし、ほとんどの海外FX業者で、入金ボーナスの適用対象はスプレッドの広い口座タイプとなっています。
つまり、ボーナスを受け取るためには、不利な条件でトレードしなければならないのです。これがボーナスの問題点です。
XMTrading(XM)のスタンダード口座(ボーナスあり)とゼロ口座(ボーナスなし)で比較してみると、このようになります。
※ゼロ口座は、取引手数料往復10ドルをスプレッドに換算。
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ドル円 | 1.5pips | 1.2pips |
ユーロドル | 1.6pips | 1.3pips |
ポンドドル | 2.4pips | 1.7pips |
どの銘柄も、0.3pips程度ゼロ口座の方がスプレッドが有利になっていますね。 ボーナスを受け取る代わりに、常に少し悪い条件で取引せざるを得なくなるので、スキャルピングなどの、利益確定幅が狭いトレードスタイルには向きません。

この図のように、5pipsのような狭い利益確定幅だと、利益に対してかなり大きな割合がスプレッドとして削られてしまいますが、30pipsのようにもっと利益確定幅が広がれば、スプレッドの影響は小さくなります。
クッション機能は「負けたときの保険」
ボーナスを受け取ることができる口座は取引条件が悪いと書くと、ボーナスの魅力が薄れてしまいますが、初心者にはおすすめです。 というのも、クッション機能ありのボーナスの場合、「負けたときの保険」になるからです。
海外FX業者のボーナスのクッション機能とは、自己資金がゼロになってもボーナスが消滅せず、トレードを続行できる機能のことです。Traders TrustやExclusive Marketsなど、一部クッション機能のない海外FXブローカーもありますが、クッション機能はある場合が多いです。
クッション機能があるとどうなるかというと、例えばXMTrading(XM)で自己資金を5万円入金、5万円のボーナスを受け取ったとします。
その後、トレードで5万円分負けてしまった場合で考えると、ボーナスを受け取っていなければそこでトレードは終了ですが、ボーナスがあれば、もう5万円分トレードを行うことができます。
敗者復活戦ができるようなものです。ボーナス分5万円を使って、その後もし5万円利益を上げられたとすれば、最初の自己資金5万円分の損失はなかったことになります。
しかし、ここで注意が必要なのは、ボーナスは、自己資金がゼロにならないと使えないということです。損失が出たら自己資金から減っていき、自己資金がゼロになってから、ボーナスを証拠金としてトレードすることができます。 ボーナスの恩恵を受けられるのは、自己資金がゼロになってからということなので、そもそも自己資金がゼロになることが少ない中・上級者にとっては、クッション機能はメリットが薄いものになります。
しかし、ボーナスを受け取った分、1回あたりの取引量を増やせるというメリットもあるので、中・上級者にとっても十分使う価値があります。
ここから、ボーナスと取引量の関係を解説します。
実際海外FX業者のボーナスは使えるの? 数値で検証
海外FX業者のボーナスには、「負けたときの保険」になるほかにもメリットがあります。それは、ボーナスを受け取った分、同じリスク量でも取引量(ロット)を増やすことができることです。
取引量を増やせるので、資金増加のスピードが速い
ボーナスありのスプレッドが広い口座(XMだとスタンダード口座)と、ボーナスなしのスプレッドが狭い口座(XMだとゼロ口座)では、最初から大きな取引量(ロット)で取引できるスタンダード口座の方が、速く指揮を増やすことができます。
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ドル円 | 1.5pips | 1.2pips |
ユーロドル | 1.6pips | 1.3pips |
ポンドドル | 2.4pips | 1.7pips |
具体的な数値で確認してみましょう。 XMは、5万円の入金まで100%入金ボーナスを受け取ることができます。そのため、5万円を入金すると、スタンダード口座では10万円、ゼロ口座ではそのまま5万円になります。
同じリスク条件、例えば「ドル円で100pips10回連続で負けた場合に資金がゼロになる」という状態でトレードすると考えると、スタンダード口座では、0.1ロット、ゼロ口座では0.05ロットでスタートすることになります。
※ドル円0.1ロット(1万通貨)の場合、100pipsの損失は1万円、0.05ロット(5000通貨)の場合は5000円です。
リスクが同じなので、スタンダード口座では倍のロットでスタートできます。そのため、勝ち続けることができれば、2倍のペースで資金が増えていきます。
勝率7割(利益確定も損切りも100pips)で勝ち進んだ場合で計算すると、スタンダード口座では、最初の資金が2倍になる代わりに各取引で0.3pipsスプレッド分取引コストが不利になります。つまり、30回取引した場合、差はこのようになります。
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利益 |
1万円×(21-9)回=12万円 |
5000円×(21-9)回=6万円 |
スプレッド |
1.5pips×30回×0.1Lot=4500円 |
1.2pips×30回×0.05Lot=1800円 |
合計損益 |
11万5500円 |
5万8200円 |
勝率7割で30回取引すると、スタンダード口座の方が倍近く資金が増える結果になりました。
1回の取引あたりの損益が、スタンダード口座1万円、ゼロ口座5000円となっていて、大きな違いがあるため、多少スプレッドが広くてもほとんど影響は出ません。つまりボーナスはメリットがあると言えますね。
資金量が大きくなればメリットが減る
先ほどは、XMTrading(XM)で100%入金ボーナスがもらえる上限である5万円で計算しました。しかし、上限5万円を超えてしまうと、その後のボーナス率は20%に下がります。
スタンダード口座に100万円入金して20%入金ボーナスの20万円を受け取った場合を想定して、先ほどと同じように計算してみましょう。
スタンダード口座の資金は120万円、ゼロ口座は100万円になります。このため、100%入金ボーナスのときと同様、「ドル円で100pips10回連続で負けた場合に資金がゼロになる」という状態でトレードすると考えると、スタンダード口座では1.2ロット、ゼロ口座では1ロットでスタートすることになります。
30回取引した場合はこうなります。
※ドル円1.2ロット(10万通貨)の場合、100pipsの損失は12万円、1ロット(10万通貨)の場合は10万円です。
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利益 |
12万円×(21-9)回=144万円 |
10万円×(21-9)回=120万円 |
スプレッド |
1.5pips×30回×1.2Lot=5.4万円 |
1.2pips×30回×1Lot=3.6万円 |
合計損益 |
138.6万円 |
116.4万円 |
100%入金ボーナスのときは、損益にほぼ倍の差がついていましたが、20%入金ボーナスになると差は小さくなりましたね。
「安定して勝率7割で勝てるのであれば」という前提条件が付いてしまいますが、実際には、取引で得た利益を証拠金として使ってさらに取引量を上げるという「複利」のトレードをする人が多いので、合計の損益は時間の経過とともにもっと差がついていきます。

ボーナスをもらえる上限までもらうのがお得
20%入金ボーナスだと、お得感が少し減りますが、それでも最初から資金量を増やせるのは大きなメリットがあるということがわかりましたね。
しかし、ボーナスには海外FX業者ごとにもらえる上限が決まっています。XMTrading(XM)でいえば、20%入金ボーナスをもらえるのは、4500ドルまでです。つまり、入金額でいえば225万円くらいです。
それ以降はボーナスがもらえないので、ゼロ口座や、他の海外FX業者のもっとスプレッドの狭い口座を使った方がお得ということになります。
クッション機能なしのボーナスのメリットは?
ここまで、クッション機能ありのボーナスのメリット・デメリットを解説してきました。では、クッション機能なしのボーナスについてはどうなるのでしょうか?
クッション機能なしのボーナスとは、入金した資金を上回る損失が発生すると、ボーナスが消滅するものです。
この図の状態になるとそもそもボーナスも消えてしまうということですね。
自己資金がゼロになるのとほぼ同時、または少し前後したタイミングでボーナスも消えてしまうので、敗者復活戦のような使い方はできません。
このため、クッション機能なしのボーナスは「意味のない」ボーナスと言われることが多いのですが、そもそもボーナスと考えなければメリットはあります。
というのも、クッション機能なしのボーナスの場合、現金キャッシュバックがセットでついているからです。
クッション機能なしのボーナスは、Traders Trust(トレーダーズ・トラスト)やExclusive Markets(エクスクルーシブ・マーケット)で提供されていて、キャッシュバックの条件はこのようになっています。
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333ロットの取引達成で10万円分のボーナスを引き出せる |
Exclusive Markets![]() |
1ロット取引ごとに1ドル還元 |
直接口座残高に反映され、自由に出金できる現金でキャッシュバックを受け取れるのはうれしいですね。
ボーナスと思わず単なるキャッシュバックと認識すればメリットはあるのですが、ボーナスの仕組みが複雑でトラブルが多発するので、クッション機能なしのボーナスは少数派です。
どのようなトラブルがあるかというと、クッション機能なしのボーナスについて利用者がよく理解していない場合に、「ボーナスがあるのでまだロスカットされないと思っていたのに突然ロスカットされた」状態になるなどです。
ボーナスは活用できる!
ボーナスがもらえる上限は海外FX業者によってさまざまですが、XMTrading(XM)だと、225万円くらいの入金までは20%ボーナスを受け取ることができます。
ここの金額に達するまでは、ボーナスを受け取った方がお得です。
ボーナスは出金すると出金額の割合に応じて消えてしまいますので、一度ボーナスを受け取ったら、しばらく出金せずに集中してトレードするのがおすすめです。
XMは、定期的に受け取ったボーナス金額がリセットされるので、リセット後にまた入金すれば、再度ボーナスを受け取ることができます。
口座開設するだけで3000円の口座開設ボーナス(未入金ボーナス)ももらえるので、開設がまだの人はぜひ開設してみてください。