「ストップレベル」とは、海外FX業者が設定している、現在のレートからどれだけ離れた場所に決済のための予約注文(指値・逆指値注文)を入れられるかを示す数値です。
ストップレベルのない海外FX業者を使っている人や、スキャルピングをしない人は意識する機会がないため、海外FX業者を使用する人の中でも聞きなれない人もいるでしょう。
なお、強制ロスカットが発動する証拠金維持率のことは「ストップアウトレベル」と呼びますが、これとは違います。
この記事では、ストップレベルの仕組みやMT4/MT5上で確認する方法を紹介します。
ストップレベルとは?
「ストップレベル」とは、現在のレートからどれだけ離れた場所に決済のための予約注文(指値・逆指値注文)を入れられるかを示す数値なので、現在レートからストップレベル分以上の距離がないレートで予約注文を入れようとすると、エラーになります。
ストップレベルが5Pipsに設定されていた場合、例えば現在レートが100円だったときは、上下に5Pips、つまり99.95円~100.05円の範囲には決済予約注文を入れることができないということになります。

ストップレベルは、自由にトレードができない仕組みなので、トレーダーにとっては純粋にデメリットとなります。具体的にどのような場合に支障が出るかというと、例えば、3pipsで利益確定するスキャルピングをしている場合、ストップレベルが設定してあると、新規注文と同時に予約注文を入れることができません。
スキャルピングなどで、損切りや利益確定を狭くするトレードスタイルの方には向かないブローカーと言えるでしょう。しかし、逆に言えば、損切りや利益確定をそれほどタイトに設定しない人にとっては、そこまでデメリットにはなりません。
ストップレベルは予約注文が入れられないだけで、成行での決済は可能です。
ストップレベルの確認方法
ストップレベルは、MT4/MT5上で簡単に確認できます。
MT5の画像で説明しますが、MT4でも手順は同じです。
気配値の銘柄名の上で右クリックをすると、メニューが表示されるので、「仕様」をクリックします。

この「仕様」というのは、取引可能時間やスワップポイントなど、その銘柄に関する詳しい取引条件を一覧にしたもので、上から数行目にストップレベルが記載されています。これは、銘柄の最小の値動きを示す「ポイント」という単位で記載されているので、ドル円で「62」と書かれていた場合、「6.2pips」のストップレベルが設定されているという意味になります。

MT4/MT5は、基本的にすべてpips単位ではなくポイント単位で表示されます。ドル円などの3桁銘柄で「110.056」というレートだったとすると、「5」がpips単位、「6」がポイント単位となります。一方、ユーロドルなどの5桁銘柄で「1.20056」というレートだったとすると、「5」がpips単位、「6」がポイント単位となります。pipsと異なり、「ポイント=最小単位」と理解すると、すぐ理解できます。
ストップレベルはどの海外FX業者にもあるの?
このストップレベルは、海外FX業者によって設定している場合としていない場合があります。基本的な傾向としては、低スプレッドやスキャルピング可能なことを売りにしている海外FX業者では設定されていないことが多く、反対にボーナスを売りにしている海外FX業者では設定されていることが多いです。
XMTrading(エックスエム)は、ボーナスが豊富でストップレベルがある業者として有名でしたが、2021年にストップレベルを廃止しました。
ながらくトレーダーから不評だった制度を撤廃したので、もっと反響があるかと思いましたが、ストップレベルがいやなトレーダーはすでにXMから他の海外FX業者に移動していたので、あまり話題にはならなかったようです。
一方、ストップレベルがない海外FX業者としては、低スプレッドが売りのTitan FX(タイタンFX)やTraders Trust(トレーダーズトラスト)、Exclusive Markets(エクスクルーシブ・マーケット)などがあります。
大手のXMが方針を転換したことで、他の海外FX業者もストップレベルを廃止する流れになる可能性もあり、期待が持てます。
Exness(エクスネス)やFXGTなどは、まだストップレベルを採用しています。Exnessは、最近知名度を拡大中の海外FX業者ですが、このストップレベルには不満の声があるようです。
