MT5最適化を別のPCやVPSで分散実行する方法

MT4とMT5を比較すると、EAのバックテスト機能が大きく進化しています。

違いとしてよく注目されるのは、最適化の効率を上げる「遺伝的アルゴリズム」ですが、複数のPCやVPSを使った最適化の分散実行も非常に便利です。

MT5のバックテスト・最適化は、「エージェント」という単位で分散実行できます。これを利用して、自分の持つ別のPCやVPSで最適化を分散する「Local Network Farm」や、ネットワーク経由でお金を払って他人のPCスペックを借りられる「MQL5クラウドネットワーク」の機能が利用できます。

今回は、自分の持つ別のPCやVPSを利用する「Local Network Farm」のやり方を紹介します。最適化を行う側のPCと、指示を出す側のPCの両方で設定が必要です。

[rtoc_mokuji title=”” title_display=”” heading=”” list_h2_type=”” list_h3_type=”” display=”” frame_design=”” animation=””]

目次

最適化を行う側のPCの操作

エージェントは、最適化実行の指示を出す側のMT5で、ストラテジーテスターの「エージェント」タブから利用します。エージェントタブを見ると、「Local」「Local Network Farm」「MQL5クラウドネットワーク」の3種類が表示されています。

MT5の並列処理

MT5は並列処理なので、通常の最適化でも自分のPCのコアを全部使っています。なので、「Local」というのは自分のPCのコアのことです。最適化結果もコアの数ごと一気に表示されるので、コア数が16のPCだと、バックテスト結果が16個ずつ追加され、それが終わったら次の16個の処理に移るという流れになります。

自分の持つ別のPCやVPSを利用する場合は、「Local Network Farm」を選択しますが、利用開始するには、「MetaTrader 5 Agents Manager(MT5エージェントマネジャー)」という専用のアプリケーションを、実際に最適化を行う側のPCにインストールしておく必要があります。

MT5エージェントマネジャーのダウンロード方法

MT5エージェントマネジャーは、他人のPCを借りる「MQL5クラウドネットワーク」の専用サイトからダウンロードします。

MQL5クラウドネットワーク

上記ページを開いてすぐのページにあるここの部分をクリックすれば、インストールが始まります。

エージェントマネジャーのダウンロード

インストールするのは、最適化開始の指示を出す側のPCではなくて、実際に最適化を実行する側のPCです。最適化開始の指示を出す側のPCには、専用ソフトは必要ありません。

初期設定

まず使用許諾契約書への同意画面が出るので、「同意する」にチェックを入れて「次へ」をクリックしてください。

その後、「自動的にアプリケーションを終了する」にチェックを入れて、「次へ」をクリックします。

テスターセットアップ

これでダウンロードは完了です。次はIPアドレスを確認します。

IPアドレス確認方法

パスワードを自分の好きなものに変更し、「追加」をクリックすると、使用できるコアが追加されます。上の方にIPアドレスが表示されますので、メモしておいてください。このIPアドレスを、最適化開始の指示を出す側のPCに入力すれば利用できます。

IPアドレス

指示を出す側のPCの操作

専用ソフトのダウンロードが終わったら、最適化の指示を出す側のPCにIPアドレスを入力していきます。

ストラテジーテスターの「エージェント」タブの「Local Network Farm」の上で右クリックし、メニューから「追加」を選択します。

MQL5クラウドネットワークの設定

「エージェントを加える」の画面で、「ネットワークをスキャン」の項目の「始点」と「終点」の両方に、最適化を行う側のPCで確認したIPアドレスとポート番号を入力します。

パスワードは、最適化を行うPCの方で変更したものを入力してください。デフォルトで「MetaTester」に設定されていますが、安全のために自分で設定したものに変えた方がいいです。

ネットワークをスキャンする

「次へ」をクリックすると、エージェントが登録できます。

使いたくないPCのコアを使用不可にする

エージェントの登録が終われば、基本的に利用可能なすべてのエージェントが最適化に使用されます。そのため、PCが重くなります。指示を出す側のPCでは最適化をしたくない場合、使いたくないPCのコアを使用不可にする必要があります。

使用不可にするコアの名称の上で右クリックし、「無効化」を選択します。すると、右端に表示されるエージェントのステータスが「disabled」になります。この状態になったコアは、最適化には利用されません。

無効化

ちなみに、別のPCが利用できるのは最適化だけのようです。通常のバックテスト(使用するコア数は1個)の場合、最適化実施の指示を出した側のPCのコアをdisabledにしても、勝手にバックテストが始まり、1つコアが使用されてしまいます。

最適化を別のPC・VPSでやるメリット

最適化をやっている最中は、ネットを見たり何か入力したりという通常の動作が遅くなってしまうので、不便です。

しかし、そもそも別のPCやVPSがあるのなら、そこにEAファイルを手動で移して最適化をすればいいだけという考え方もあります。

らっこ
もちろんその通りだよ!

個人的に、この機能を使っている理由は、メインのPCでEAを作りつつ、できたEAを最適化したいが、PC間のファイル移動が面倒というだけの事情です。

ダウンロードしたアプリケーション「MetaTrader 5 Agents Manager(MT5エージェントマネジャー)」は、主な用途は、ネットワーク経由で他人のPCを借りるMQL5クラウドネットワークを利用する際に使います。

これは確かに便利なのですが、お金がかかるのであまり使っていません。TP・SLの最適化くらいは自宅PCで十分なので、MQL5クラウドネットワークは、ある程度いいEAができて、最終調整として内部に使っているテクニカル指標の数値を含めた最適化をする際に利用するといいのではないでしょうか。(これをやろうとすると、数千通り以上になる可能性もあります)

ちなみにMQL5クラウドネットワークは、MT5エージェントマネジャーをインストールすると、簡単な手順でPCのコアを貸してお金を得ることもできます。VPSを使わない時期に一時期やっていましたが、自宅PCを使う場合は、電気代との兼ね合いで儲かるのかどうか計算するのが大変です。そのため、基本は使わないVPSでの運用に絞った方がいいのではないかと思います。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

コメント

コメントする

目次